~エピローグ~
朝、それは騒がしくもさわやかな時間
ギリギリまで睡眠時間を確保した私の朝は忙しい
家を出る時間まで残り数分……
これに遅れてしまうと電車に乗り遅れてしまう……
「 いってきまーす! 」
タタタタタッ……
「 ハッ…ハッ……駅だ!よし、この調子なら間に合うぞ…! 」
※筆者のプライバシーの観点から、日本で一番利用客の多い新宿駅の写真をつかっています。
「 発車までのこり3分か……少し余裕だったかもしれないな…… 」
「 まぁホームでお茶でも買えばいっか! 」
「 よし!定期券をだs……あれ?????? 」
ゴソゴソゴソゴソゴソ……(かばんを漁る音)
ゴソゴソゴソゴソゴゴソゴソゴソゴソ……
ゴソゴソゴソゴソゴゴソゴソゴソゴソゴゴソゴソゴソゴソ……
定期券がない!!!!!!!
「 困ったな……家に戻ったら電車に乗り遅れちゃうよ…… 」
「 しょうがない……スマホのアプリを使って……あれっ…… 」
スマホがない!!!!!!!!
「 マジかよスマホまで……切符買うかぁ…… 」
「 財布 財布…… 」
財布がなーーーーーーーい!!!!!!!!!
序章:呪い(カルマ)
初めまして。平成の忘れん坊将軍こと からすさなぎ と申します。
皆さんは、忘れ物をしたことがあるでしょうか?(無い人間などこの世に存在しないと思いますが……)
人生、生きていれば忘れ物と縁を切るなんてことは早々できません。
そして私も、この忘れ物という呪い(カルマ)に悩まされている一人であります。
※忘れ物の呪いのイメージ図
そんな私が特に忘れるのがこの三つ
・さいふ ・定期 ・スマホ
この三つを特に家に忘れてしまうのです。私はこれらを三種の神器と呼んでいます。
まぁ、エピローグのような「 三つ一気に忘れてしまう 」ことはそうそうありませんが、どれか一つを大体いつも忘れて家を出ます。
特にカバンを変えた日は定期券をつけ忘れるので必然的に忘れることになります。
でもスマホと定期を一体化するとスマホを無くした時に詰んでしまうので避けたいのです……
小学生の頃からのこの悩み、悩み続けて早十数年。
( ゚д゚)ハッ!
むしろ、三種の神器がなけりゃ家から出られないようにすればいいのでは…!?
でもどうやってそんな事……
うーん……うん?
三種の神器……?
( ゚д゚ )ハッ!
部屋の扉を遺跡みたいにして
冒険映画みたいな感じで扉にある盤に
物をはめ込めば開くシステムにすればいいんだ!!!!
遺跡のイメージ図
そうと決まれば百均へ急ぐしかない!
この夏の冒険が始まるぜ!!!!!!!!!!!!!
※なお、閃きのままに向かったので、ふつーに定期券とスマホを忘れました。
……さて、ここまで読み進めてくださった皆さんはこう思っていることでしょう。
「えっ、スマートタグ使えば良いんじゃないの???」
※スマートタグ:なんか忘れ物してるとアプリで知らせてくれる奴。
(・-・)スゥ……
否!!!!!!!!!!
思考が単純すぎる!!!!!!!!!!!!!!!
確かに便利ではあるのですが、タグやカードなどを追加しなくても、アナログで最適解を求められるのではないでしょうか?
あとスマホ忘れてたら意味無いし。
デジタルに頼らずとも”デザインで”ヒューマンエラーを解決する方法はいくらでもあるとおもうのです。
例えば、ドリル等の人体を巻き込んでしまう可能性のある機械では、動作スイッチを二つにふやし、両手を使わないと押せない位置に置いて(両手起動スイッチ)不便にすることでドリルに腕を巻き込まれないように安全化している物があります。
人感センサーを置くよりも、こっちの方がもっと最適化されていると思いませんか?
さて、言い訳も終わったところで 早速遺跡を作っていきましょう!
制作開始
今回私が百均で買ってきたものはこちらです。
軽量化や工作のしやすさ等を考えて、スポンジシートやスチレンボードをメインで購入しています。
そして、遺跡風にするうえでこの三つも新調しました。今どきは百均で何でも買えるんですねぇ……
では、早速イメージ図通りに組み立てていきましょう!
今回の設計図がこちらです。
そして組み立てたものがこちらになります。
巻き寿司…?
いいえ、遺跡の盤です。
盤に空いている穴のような部分は、三種の神器がぴったりはまるサイズになっています。
内部構造的には
これが
こう。
何もしていない状態では凸が出てきてしまうのですが、物をはめると凸が引っ込んで板が通るようになるのです。
さて、流石に巻きずしのままでは盤には見えないので、ここから紙粘土で盛ります。
ちょっと盤の面影が出てきましたね。
更にここから着色をします。
まず全体を黒く着色し
その上から、乾いた筆で灰色を擦ります。
その後2、3回更に上から更に薄い色の灰色で擦ると、あら不思議
友人「でけぇ100円玉?」
( ゚Д゚)
……更に岩っぽくなるように装飾します。
そして完成したものがこちら。
良い感じっぽいかも!!!!!!!!
淵に乾燥苔や、茶色のアクリル絵の具とボンドを混ぜた岩塩を土の様に盛ることで、良い感じに苔むした感じを再現できました。
中々いいですね。思ってたより満足感があります。
んで、三種のアレ達はというと……
こちらも良い感じに苔蒸しております。
因みに苔は上から水に溶かしたボンドでコーティングしてありカチカチなので、カバンの中が汚れる心配はありません!
では、早速扉に装着してみましょう!
※なお、筆者は実家暮らしなので玄関を装飾する許可はおりず、自室の扉を遺跡と化しています。
- Before -
- After -
遺跡だ!!!!!!!!!!!
なんということでしょう。
普通の扉だったはずの部屋の入り口が、繁茂している遺跡と化しているではありませんか。
そして、盤に通してある板があるせいで……
開かねぇ!!!!!!!!!!
どうやら、工作は上手くいった様子。
扉が開かなくて喜んだのは人生で初めてです。
さて、これで準備は完璧と言って良いでしょう。
それでは明日の朝、きちんと物忘れをせずに済むのか検証していきましょう!
~次の日~
朝、それは騒がしくもさわやかな時間
ギリギリまで睡眠時間を確保した私の朝は忙しい
家を出る時間まで残り数分……
これに遅れてしまうと電車に乗り遅れてしまう……
「急がなきゃ、急がなきゃ……あっ!!!」
「 遺跡だ!!!!!!! 」
「 そうだ!三種の神器を忘れるところだった! 」
「 えっと、まずは…… 」
「 財布と…… 」
「 スマホと…… 」
「 定期券と…… 」
「 よし!全部ハマった!
これで板が引けるはず!!!! 」
ズズズズズズズズ……
ギィィィィィ……
「 よっしゃ!扉があいたぞ!!! 」
「 いってきまーす!!!!!!! 」
タタタタタッ……
「 ハッ…ハッ……駅だ!よし、この調子なら間に合うぞ…! 」
※筆者のプライバシーの観点から、日本で一番利用客の多い新宿駅の写真をつかっています。
「 発車までのこり3分か……少し余裕だったかもしれないな……
まぁホームでお茶でも買えばいっか! 」
「よし!定期券をだs……」
「 ………… 」
「あれ??????」
ゴソゴソゴソゴソゴソ……(かばんを漁る音)
ゴソゴソゴソゴソゴゴソゴソゴソゴソ……
ゴソゴソゴソゴソゴゴソゴソゴソゴソゴゴソゴソゴソゴソ……
ゴソゴソゴソゴソゴゴソゴソゴソゴソゴゴソゴソゴソゴソ……
~その頃の部屋の扉~
―― からすさなぎの挑戦は続く ――
終
オマケ
忘れ物は治らなかったけど
他人からの視線さえ耐えれば
日々のQOLは上がった気がする(楽しい)